■ 抄録・要旨
| 産業廃棄物の不適正処理により堆積された廃棄物の山について、廃棄物の一部撤去に加え、覆土や通気管の設置による改善工事を行った。改善前には深度約1〜5mの表層部を、改善後には深度8m及び16mの通気管20本の内部ガス濃度等を前後3年間の計6年間にわたりモニタリングした。
改善前は、徐々にメタンガス濃度が減少した一方、二酸化炭素ガス濃度が平均15.9%まで上昇した。硫化水素ガス濃度は、3年間で平均530ppmvから140ppmvまで減少した。改善後は、ガス組成は3年間ほとんど変化が見られないが、改善前と比べて硫化水素ガス濃度が平均で20〜51ppmvまで低下し、二酸化炭素ガスが平均15.1〜19.8%とわずかに上昇した。
全体からのメタンフラックスを積算したところ、24〜150L/分であった改善前に比べ、改善後は通気管周辺を合わせても3.8〜9.5L/分となった。通気管及び改良覆土による明らかな効果が得られるとともに、ガスを制御しやすい工法であった。
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